凛子のつれづれ

歯科で働くこと・組織の在り方を気ままに書いています。

つれづれ11  安心・安全の先回り

 

安心・安全、本当によく耳にします。

 

『安心・安全』というワードを発するだけではそこには何の力もなく、言葉の独り歩きで終わってしまう。

 

発したからには、それに伴う行動がなくちゃはじまらない。

そこ、とてもとてもだいじ。

 

 

過去に受講したとある講座の中でこのタイトルの言葉について学びました。

 

【安心・安全の先回り】

 

要は、事前にこれから起こりうることについて、予め相手に伝えておくということ

 

いわゆる説明です。

 

よく言われるのは

 

【事前にするのは説明・事後にしたら言い訳】

 

実際は言い訳にならない場合もあるけれど、相手にはそう聞こえ、受け止められてしまう可能性があるということ

 

これ、人間関係の様々な場面でも言えることなのですが…

 

 

 

私たちの仕事で言うならば

 

●現状がどのような状態で、これからどのような治療を行っていくのか→治療方針の説明

 

●どのような治療方法があるのか→治療方法・種類(金銭的な内容も含む)の説明

 

●今日はこれからどんな治療をするのか→治療内容の説明

 

●これから行うことでどんな感じになるのか→状態の説明

 

●治療後にはどんなことが起こりうるのか→治療後の注意事項の説明

 

ざっと言ってもこんな感じです。もしかすると何か抜けているかもしれません。

(*お気づきの方はどうぞ直接、御教示願います)

 

お分かりでしょうか

とにかく説明・説明・説明です。

 

しかしなぜ?

 

それは

 

これから起こることに不安や懸念を抱いている患者さん(様)に安心して治療に臨んでいただくため。

 

当然と言っちゃ当然。

 

でもこれ、実はなかなか徹底は難しい。

まずは、患者さん(様)に直接向き合うあなたがその価値を理解していなければ。

 

 

 

講義の時に先生が

「たまにいるんですよ~患者さん(様)の口の中を黙っていきなり触る人が!そんなの患者さん(様)がびっくりするにきまってるじゃないですか‼」と興奮気味に話しておられました。

 

そりゃそうだ。

 

当時も一応、自分では説明をしているつもりでいた私ですが、その日以降、

より具体的に前もってこれから行うことを伝えるように意識してやってみました。

 

なんということでしょう!

 

それまでとは患者さん(様)の反応が変わったのをはっきりと肌で感じることができました。

 

例えばスケーリング一つにしても

「歯石の付きが多いのは前歯の裏なのでここからまず触りますね」とか

「触るときに少しひびく感じがします」とか

「つぎは○○に移動しますね」とか

「ほっぺたを少し引っ張りますね」とかとか…

可能な限り細かにこれから何をして、どうなるのかを伝えてみました。

 

「それって気のせいじゃない?」って思われるかもしれませんが、

違うんだよ…

百歩譲って仮に気のせいだとしても、明らかに患者さん(様)の力が抜けていたり、終わった後の表情が違うんだよぉ。

患者さん(様)との距離が近くなったのを感じたんだよ~

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この実体験から思うこと。

 

説明に、やり過ぎることはない。(時間の許す範囲でね)

 

 

だからよく

舌や頬粘膜の巻き込みを防ぐのに圧排・排除をしますが

これも、

「安全のため、少しベロを押さえますね」と事前に伝えておけば、患者さん(様)はそのつもりで構えられますし、多少の痛さも「安全の為なのね」と納得できるので、協力してくださいます。

 

そう

 

不意打ちではないので【心の準備】ができるので安心をもたらすのです。

 

 

事故防止のための処置は安全のため

どのようにするのか、なるのかを先に伝えるのは安心のため

 

これらを事前に行ってはじめて、患者さん(様)が安心・安全に治療を継続されるのではないでしょうか?

 

舌の排除ひとつにしても

黙っていきなりグイグイおさえこまれたら訳も分からずただ痛いで終わり、

「あの医者は雑だ」というネガな印象だけ残して帰られるのですよ…

こちらにはそんなつもり、さらさらなくてもね。

 

人は基本、ネガティブな情報が強く残る生き物ですから。

そうなったら安心・安全とは言ってはみても、患者さん(様)には何も響かないのです。

全くもって残念なことですわ。

 

 

 

いかがでしょうか?

皆様の医院では、安心・安全の先回り、できていますか?

 

それはすべて患者さん(様)のため

 

今からでも遅くはありません、是非とも医院各所で何ができるのかご検討あれ。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

凛子