凛子のつれづれ

歯科で働くこと・組織の在り方を気ままに書いています。

つれづれ 12 目と耳は頭の後ろにも 其の壱【目配り】

 

タイトルの言葉は太古の昔、私が衛生士として間もない二院目の院長から言われた言葉です。

 

懐かしい…

 

当時には懐かしさを感じますが、この言葉は今でも新鮮です。

 

その院長曰く

「この仕事は、いかに相手や周りの必要としていることを察知して動くことが大切だよ。その為には、自分以外のところや背後で起こっていることにも気を配らなければならないよ。気配を感じるんだ」

 

今となっては金言(意味わかるかな?)です。

何十年経っても全くもってその通り。

 

『目配り・気配り・心配り』とも通じるものです。

今回からこの3つを具体的に考えたいと思います。

 

 

 

【目配り】

 

目配りとは色々なところに注意を行き届かせること。

 

目の前のことだけではなく、常に周囲の動きを観察しているとも言えます。

 

飲食店で注文をするときに、顔や手を挙げた瞬間にスタッフと目が合い、直ぐにオーダーできたこと、ありませんか?

 

これは、あなたがメニューを選ぶまでのタイミングを相手が見計らっているわけです。

 

そう

 

文字通り、相手の様子を〈目で〉見ています。観察です。

加えて、〈色々なところに〉なので見ているところは一点集中ではなく、

広い視野で見ていることも求められます。

 

 

この目配り、私たちはどのように出来るでしょうか?

 

 

受付であれば、まずは医院の出入り口の人の流れに目ざとくなくてはなりません。

 

今は、出入り口にセンサーが付いているところもあるので、音で知らせてくれることが多いですが、小さな医院では、扉の開閉が静かなところだと作業に集中していると来院に気づかず…なんてこともあります。

 

特に、受付専任がいない医院ではこれが起こりやすい。

このような所は、何かしらの対処が必要です。

 

ホスピタリティとして、入り口に人が見える時点で迎える態勢が整っていなければなりませんから、こちらから先んじて挨拶の声掛けをするのも、目配りの一つでしょう。

 

目配りは、アイコンタクトとも通じます。

顔を下に向けたまま、何か作業をしながら挨拶をする。なんて野暮な人はいないとは思いますが、相手を迎える時には顔を上げ、今ですからマスクをしていても笑顔で挨拶を心がけたいものです。

 

目が死んでいる人から声をかけられたら怖いですからね…

 

 

特に、来院が初めての人は勝手が分からず入り口で戸惑う仕草をすることも。

そんな時、挨拶するだけして自分の仕事に戻ってしまうなら、相手のお困りごとに気づかず「すみません…」と向こうから声をかけさせてしまうかも。

 

これでは、飲食店で大きな声でスタッフを呼んだり、手を挙げても気が付かれないのと同じです。

悲しいなぁ・・・これでは。悲しい…

 

入ってきて、受付にたどり着くまで距離がある所は来院者の動作を見守り、必要ならば近づいて先回りの声掛けをしてしてもらえたら。

 

そんなちょっとした気遣い、患者さん(様)はうれしいと思いますよ。

 

 

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診療室内での目配りは?

 

まず最初に出来る目配りは、患者さん(様)を待合室からユニットにご案内する時。

 

ありがちなのは

患者さん(様)のペースを確認せずに自分だけズンズン先に行ってしまい、振り返ったらはるか後ろにいたり、ちょっと迷ってしまっていたり…

 

これは残念が過ぎる。

 

ご自分は前だけを一心に見つめ、後ろに患者さん(様)がいることを忘れていやしませんかー?って。

 

それでは、ご案内や誘導にあらず。

 

このようにならないためには、

 

まず誘導する前に、どこにご案内するのかを大まかに伝え

先導しながら、後ろを振り返りついて来てくれているか、

歩くペースは大丈夫かを常に目視してみてくださいね。

特に初めての方や足の不自由の方には必須です。

 

周りにいるスタッフは

診療室入り口からユニットまでの間、もし患者さん(様)が迷う仕草を見たらフォローして欲しいです。

 

自分の目の前のことだけではなく、何か見て気が付いたことがあればそのままスルーせずに担当や、周囲にそれを伝えて欲しいです。

 

それは

器材が壊れていたり、院内のどこかに不備をあなたが見つけた時にも言えること。

見つけた人が、直ぐに伝えてくれさえしたら処理が早くて助かるというもの。

放置してしまうと初期修理でで済むものが、修理に時間と費用がかかってしまうことも。

 

誰もそれを伝えてくれず、放置されているとしたら

後々、院長や然るべきところから「なんでこんなになるまで誰も言わないんだ」的なお小言がはじまり、チーン…と嫌な空気が流れて終わる。

 

そんな、ムダなエネルギーや時間を皆さんに使って欲しくはないですからね。

 

 

他にも、以前の記事でも扱いましたが

診療中の患者さん(様)の動きや、表情に注意深くあって欲しいです。

 

麻酔が効かずにまだ痛みを感じているのか

口腔内に水が溜まり苦しそうにしているのか

空調に難があるのか(寒いのか・暑いのか)

長時間診療時、トイレに行きたがっているのか

予定通り診療が進んでいるのか

時間に制限はあるのか

 

見守るべきところはたくさんあるのです。

 

何度も申し上げますが、私たちが接しているのは人、患いをもって来ている、或は治療を終えて予防の意識をもってメンテナンスに通ってくださる生身の人間です。

 

その人たちを目の前にして、自分のやるべき作業だけにひたすら集中していては困るのです。

 

あなたの行なうその作業は、すべて相手があって成り立つもの。

患者さん(様)の動向にすべてのスタッフが目ざとくありたいものです。

 

あなたのその目はどこについていますか?

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

凛子