前回の【目配り】は
いつも周囲に注意を向けて様子を確認する《気づき》のきっかけになるものでした。
今回は【気配り・心配り】です。
その《気づき》を具体化させるものです。
【気配り】とはあれこれ気を遣うこと、不都合や失敗がないよう注意すること。配慮。
【心配り】とは相手を思いやって行動すること、相手が欲する具体的な行動。
気配りは先回り・心配りは先回りの実践と考えるとわかりやすいでしょうか。
ここまでで、既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、
目配り・気配り・心配りの視点はあくまで相手です。自分ではありません。
自分ではなく、相手・周囲に対して
見る(気づく)→考える→行動するわけです。
自分の利ではなく、相手の利になることを観て考えて実践するのですね。
仮に
見て気づいても
あれこれ考えても
それらが、具体的な行動にならないなら
「私、目配り気配りできます・やってます」にはならないですから。
それは、言いはするけど結局やらないという〈口だけ番長〉と同じ。
やらないなら、言わないで~って。
あなたの頭の中・心の中に浮かんだことは行動に出さないともったいなさすぎる。
でも、これが多いんだ実に。もったいないったらありゃしない…
とどのつまり、行動なんですよねすべて。
例えば
前の治療が延びてしまい、ユニットで待たされている患者さん(様)がいるとします。
そこは冷房がガンガン効いています。
①まずは【目配り】この患者さん(様)が待たされているか否かを気に留めて。
皆、忙しさにかまけて誰も気が付かず、ユニット上で長時間声も掛けられずに放置されている…なんてことがたまにあります。
それじゃあ困るのよ。ホントこういうのおやめいただきたい。
(あなたの医院でこんなことがまだ、まかり通っているのなら速攻改善が必要であることはお伝えしておきます)
②待たされている方の様子を観察してみましょう。ここに【気配り】が重なります。
冷房が効いて寒そうにしていないか
なにかスタッフに言いたげなんだけれど、ためらっている様子はないか
時計や周囲を見渡してイライラしてはいないか
③そして行動【心配り】です。
ブランケットなどがまだであれば、使用の有無を尋ねる
既に使用済みであれば、温度調整が必要か確認してみる
時計を見ているならば、この後の予定の確認や時間の制限があれば伺う
などなど、出来ることはたくさんあるのです。
ちなみに、心配りは相手の求めていることを行うなので、
「寒いようなのでブランケットおかけしますね」と言いながら勝手にバサーっと足元にかけるのはよろしくないのでご注意を。
寒そうにしているからブランケットを掛けた方がいい、と相手に配慮が出来たことは〇ですが、
様々な理由でそれを必要としない方もおられるのです。
(最近は、そうしたことへの配慮の意味であえて、置いておくだけにして自由に使って頂くという医院もあります)
なので
行動の前には必ず質問の形で確認してみてくださいね。
「足元冷えるのでブランケットお使いになりますか?・お掛けしてよろしいですか?」
あなたの必要と思うことが、相手には不要となる場合もあります。
仮に相手がNOでも、あなたの気配り・心配りは◎💮ですから。
その配慮に相手は喜ばれるはずです。
こんなことはないとは思います(思いたいです)が、
患者さん(様)をさんざん待たせているのに「それ今やる?言う?」って事してたり
患者さん(様)の頭上でその方に関係ないことをスタッフと話したり
治療中、黙っていきなり触ったり、引っ張ったり
印象材を口周りに付けたままユニット下げたり
必要な術後の説明しないで終わりにしたり
他にもいろいろ、こういう配慮のないことを平気でフツーにやっていたりするのを見聞きすると、個人的にはめまいがしてきます…クラクラいやグラングランしちゃう…
「こんなことまでやらなくてはいけないの?」と思う方もいるかもしれません。
「私はライスワークだからここまでやる必要は感じない」と思う方もいるのかな。
でもですね、皆さんの仕事は
間接的な受付であろうと
直接触れる診療室内であろうと
はたまた、裏方で支えるクリーンスタッフであろうと
歯科医療という生身の人間に応対する現場であることには変わりはないのです。
ここに患者さん(様)や共に働くスタッフに対しての配慮がなかったら、医療人としての意識や自覚はどこにあるのですか?って。
私たちが日々接しているのは、自分と同じ不安や緊張、感情があるヒトであることを改めて考えて欲しいです。
共に働くのは人手不足やシステムがうまく機能しない中、懸命に働くスタッフにお互い支えられていること理解して欲しいです。
「あの人、気が利かないよね~」と言われるよりも
「あの人、気が利いて助かるわ~」と言われたいもの。
目配り・気配り・心配り。あなたの医院ではどんな形で出来るでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
凛子