冒頭の言葉、出典元は不明なのですが、ビジネスの世界ではよく引用されている言葉です。
対人間相手の業界では普遍であり不変で不偏のセオリーだと常々感じ、思うこと。
でもねぇ、言葉足らずが意外に多かったりするのも事実現実。
昨今、巷でも配慮の欠けた言動で謝罪や釈明が後を絶ちませんが、
その謝罪で「言葉足らずで」と言い訳をなさっている方々の多い事と言ったら。
「その謝罪こそ、言葉が足りていないんだよ(怒)」と画面に向かってぼやいております。
他人はどうあれ、
私たちが身を置くこの業界でも然り。
先に伝えておけばよかろうにと思う事多々。
そんなこんなで、今回のテーマにしています。
そもそも論ですが、
誰に向って話を(説明を)なさっているのですか?という話。
多少の知識や経験のある自分や、医院都合で説明をするからよろしくないので。
目の前に座している患者さん(様)目線・立場を考えませんとという事です。
極端な例ですが、
ざっくりした説明で治療を始め、術後の説明他諸々割愛して「薬出しておくので痛かったら飲んでくださいね」で終わってしまう。
あんまりじゃありません?
接遇的にも、医療行為としても足らないことが多すぎです。
で、患者さんからの質問ではじめて補足で説明する。
これでは遅い気がしてなりませぬ。
治療後に質問されるという事は、こちらの言葉が足りていないか、
患者さんが事前説明に理解が足りていなかった為の確認ですから。
(もちろんそれだけではない場合もあります)
人間、後付けされることは言い訳がましく聞こえるそうです。
個人的にはこれを知ってから、可能な限り事前に説明するよう意識しています。
予めこれから起こり得る事を伝える方が、患者さんの納得度が高いことは明白です。
予め、伝えておけば備えができます。
備えることで不安がなくなります。
不安がないことで信頼が上がります。
第二象牙質の説明にしても、
「そのうちしみなくなりますから」の一言で
いったいどれだけの方が納得しているのでしょうか?
そこになぜしみなくなるかを簡単に説明しておけばさらによろしいでしょうに。
仮に「しみなくなります」さえ割愛すれば、
しみれば【虫歯を取り残したのではないか】と不安になる患者さんもおられます。
それは情報が不足している故の誤解です。
治療後日、直接そのように言われたこともあります。
しかも少し疑問に満ちた表情で。
こちらはフォローに必死です。
まずは誤解を解くところからですから。
大抵の方は後付けの補足説明で納得はされますが、その度に「術後の説明をしてくれてさえいたら…」と悲しくもなります。
『それならば、先に(前もって)伝えてくれよ』というのが患者さんの心理なのではないでしょうか?
そう
その患者さんの(相手の)思いをはかることをせず、できず、
こちらの都合で(忙しい等)それらを割愛して何事もなかったかの様に終わりにするのはいかがなものでしょう?
いったい何をみているのか?です。
人を診ているのではないですかー?
相手の知りたいこと・求めているもの・こと、理解されていますかー?
過去、臨床でご一緒したドクターで患者さんからの信頼が厚かったのは、
治療に関する説明を患者さんが理解納得するまでされていた先生方でした。
時に時間も押すので、周囲がハラハラドキドキしながらでしたが。
それでも、そのドクターの担当患者さんたちは多少時間が延びる事をいとわず、お待ちになってくださいましたし、
「その担当医でないと」と強い希望を持たれていらっしゃいました。
相手が求めている言葉を(説明を)こちらが与えられているか否かがとても大切だという事例です。
ドクターに限らず、どの職種にも言える事です。
予め伝えることのできる情報は、可能な限りお伝えし、
疑問・質問はないか確認してクローズする習慣を全てのスタッフが出来るならば、
トラブルもクレームも減る事こそあれ、増えることはないでしょう。
何よりもそれだけで、丁寧さを感じていただけるはずです。
後付けの言い訳にならぬよう、先んじて何を伝える事ができるのか
この機会にそれぞれの立場で考えていただけたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
凛子