凛子のつれづれ

歯科で働くこと・組織の在り方を気ままに書いています。

つれづれ50 スタッフにとっての働きやすさとは何なのか

 

 

求人票などをみると

スタッフが働きやすい環境を整える努力をされている医院が福利厚生の充実を紹介しています。

 

・有給休暇の取得のしやすさ

・休日が多い

・家賃補助

・昼食補助

・今は自粛傾向でしょうが定期の食事会・イベント等の開催

・休憩室には美味しいお菓子や飲み物が途切れることなく置かれている

・提携している保養施設等の利用

・外部セミナー等勉強会参加費用の負担

 等々・・・

中には引越し費用まで負担してくれる医院も。

 

ギリギリの人数よりも、多少余裕のある人員配置を目的として増員を図る医院もひと昔前に比せば増えてきているようにも感じます。

 

この様な計らいは、

少しでも【気持ちよく・長く働いてもらいたい】という

経営者・組織の長である院長先生の従業員に対する想いです。

 

本当にありがたいことです。

 

そういった意味では今の時代に中心となって働いている若い(なんて言ってはいけないのか?)人たちはとても恵まれているなとも感じています。

 

もちろん、

福利厚生の充実は従業員にとって有難い事ではあるのですが、それで良しと思ってしまうと

後々

「なんで?こんなに色々とやっているのに・・・」ということにもなりかねない。

実際、現実に起こっていることです。

 

そこには

経営者と従業員の視点にギャップがあるから。

 

 

◆実のところスタッフにとっての働きやすさって?

 

それはもう、

医院文化(価値観)・実際の診療現場の空気以外の何物でもなく。

 

これ「致し方無い」と言ってしまえばそれまでなのですが、

どうしても人間だもの、忙しさに比例して余裕もなくなるので苛立ちは生じます。

 

その苛立ちは言葉として、態度として出てしまいます。

時に、診療中、スタッフへの注意が言動の粗さとなって。

なんか段々と声が大きくなってくる。

 

眼下で治療を受けている患者さん(様)にも、その同じ言葉届いているんですよね・・・

それでもいいのかなと感じながら直接・間接的に見聞きしています。

百歩譲ってスタッフにはまぁいいでしょう。(良くはないよ本当は)

患者さん(様)は組織内の人ではありませんし、時代も時代ですし。

 

自分で気が付かない苛立ちや

仮に気が付いてもコントロールできない負の感情は

残念ながら、スタッフの士気を下げてしまう主要因の一つです。

 

どうしても、そういう状況は生じます。

理解はできます。

私も経験はあります。

 

絶えずピりついた空気や

圧の強すぎる注意や指導が普通

気配や様子を常に伺うスタッフ達。

 

問題はそれが常態化してしまっている場合です。

 

診療時間中に絶えずそのような環境にさらされ続けていれば

スタッフは何とも言い難い緊張感に居心地の悪さを感じます。

「怒られやしないか」とドキドキしながら萎縮しながら業務にあたるので、

いつの間にか積極さからは遠くなり、その人らしさが失われ表情も乏しくなり

疲労感が蓄積されていく・・・

 

充実した福利厚生が、スタッフの下がった士気を相殺するわけでは決してないのです。

 

福利厚生は賃金給与にプラスして支給する非金銭的報酬です。

(ウイキペディアより引用)

 

忙しいながらも、

感謝の言葉や人格を否定・批判しない言動

必要とされていると実感できる空間

スタッフ同士の連携

ドクターとスタッフ間にある信頼関係。

 

これらが現場で日々実感できる環境であれば、

スタッフには、それが何よりの福利厚生になるのです。

それは何も物やイベント等のお金のかかるものだけではありません。

 

人を、相手が誰かに関わらず目の前の人を大切にすること。

 

このプライスレスな福利厚生こそ、スタッフにとって何よりの働きやすさなのです。

 

これは院長やドクターだけの問題ではありません。

組織に関わる全ての人に言えることだと思います。

 

それが叶う場所であれば求人票を出しまくる必要がないのかもしれません。

 

f:id:picorinko:20210630144342j:plain

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

凛子