歯科衛生士という職業を生業にして四半世紀以上半世紀未満(怖っ!)。
しみじみ思うのは、
衛生士はただ黙って手を動かすだけではその資格が泣くってこと。
その手に加え、
相手(患者さん)に【伝えること・伝え続けること】をしなければ、せっかくのその資格が発揮しきれていないということ。
実体験だけでなく、周囲の変化を観て改めて感じています。
その手に【伝えること】を重ねることで来院してくださる意味・意義に深みを増すことができるのだと。
伝えることはもちろん、口を通して言葉で伝えるわけですが、実は手を通しても伝わっていることご存知でしょうか?
自分のやるべき目の前の事を、おざなりではなく丁寧におこなう。
その丁寧な仕事は伝わるものです。
だって体感していますから。それだけでも全然違います。
丁寧にやってもらているか否かは患者さんは分かります。
分かっています。
そこに、直接言葉で伝えることを怠らなければ盤石です。
なぜ?
患者さん(様)は知りたがっているのです。
今自分の口腔内がどういう状況で
どこをどうしたらもっと良くなるか
現状維持でよいのか、改善が必要なのか?
前回改善を促された所はちゃんと出来ているのか?
予防するにはどんなことを気を付けたらよいのか?
きりがない。
そういう相手の【知りたい】という欲求を見過ごして
さら~っと一通りのやるべき事やって
「○○が磨けていなかったので気を付けてください」って言うだけとか
それすら言わず、
「お疲れさまでした。今日はこれで終わりです」ってそそくさとエプロン外しにかかるとか
いやいや、もったいないでしょそれでは。
磨けていない所はどうすればよいのか、知りたがっているんですよ相手は。
そこスルーしてどうするのさ。
だから、いつまで経っても改善しないんじゃん。
手技オンリーで、お口を使うのは挨拶だけの衛生士の方は、
もしかしたら、患者さんは知りたがっているという事をまだお気づきでないのかも。
こちらから、現況の口腔内を改善する方法をお伝えしていくと、相手の反応が変わってきます。
ひとたび示せば、興味のある方は自ら質問してきてくれます。
そうなったら、あなたの【伝える】は相手に染み入り成果が表れている証拠。
グッジョブ!
そうして患者さんとの関係性を築いていくのです。
そう
『関係を築く』
これが歯科衛生士としての仕事の醍醐味です。
希薄な関係では愛着はないので気にも留めることはないし、
患者さんからしたら続ける理由が今一つ分からない。
分からないから、だんだん足が遠のきリコール率が下がってしまう。
リコール率は衛生士の技量と患者さんと医院の関係性のバロメーター。
歯科衛生士業務は決して手技だけではありませんぞ。
次回に続きます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
凛子