社会人になると、マナー研修や接遇セミナーと称するものを受講する機会があります。
歯科も多分に漏れず、個人や医院全体、規模は違えど学ぶ機会も。
歯科も【人】相手の仕事ですから、個人的には必要な事と感じています。
何も学ばないで痛みや不安を抱えて来院される方々に安心・安全を提供することはできません。
学ばないから・学ぶ機会がないから、時に対応にクレームがでてしまう。
致し方無しです。
でもそれで良いわけがない!
『知らなかった』で済む問題ではありません。
医療なのですから、そんな無責任なことではお粗末が過ぎます。
医療もサービス業である
これ、意外と知られていないこと。
異を唱える方もいらっしゃるとは思うのですが。
そこに属する全てのスタッフが【医療】を提供していると御理解いただきたく。
職種変われど形はどうあれです。
その理解の有無がその人の、その職種の、その医院の対応(接遇)を左右していると経験上感じています。
サービスという言葉の意味
誰かのために何かをおこなうこと、他者の助けになること。
無形の財や価値あるいは労役などを提供すること。
weblio辞書より
歯科医師や歯科衛生士が直接手をくだして医療行為を行うことで得られるのは診療報酬と言われる対価、有形のもの。
患者さん(様)に丁寧に説明したり
目配り気配りをしながら患者対応したり
相手の表情に合わせた対応したり
見えない電話口の相手に聞きやすい声のトーンや口調で対応したり
雨が降ったら受付にタオルを準備しておく
挙げたらキリがないのですが…
これらは直接診療報酬にはないことで。
そう考えると、医療行為そのもので得られる・提供できるものはごく限られたもの。
実際は、他者の助けになる無形の価値、労役がいかに多いことか。
そう
医療における接遇とは
飲食や理美容・旅客観光ほかの接客サービスとは若干異なるものです。
私自身過去にいわゆる、一般的な接遇マナー研修を幾度となく受けましたが、回数を重ねるごとに違和感が残っていました。何かが引っかかる。
もちろん、社会常識としての接遇は学ぶ価値があります。
個人的にもそれがベースになってはいます。
でも、それだけで満足しては、何か違う気がします。
それとは異なる角度からのサービスの提供が歯科医療にはあるのです。
私たちが常に相対するのは【患者】という字の通り、【患う者】不安や緊張を抱えておいでになる方がほとんどです。
定期健診であっても「緊張する」と何度となく言われてきたことか(笑)。
反省しきりです。
お辞儀の角度や手の置き方も大切だけど、
やはりそこには、それ以上の『医療としての接遇』が求めらると思うのです。
こちら(医院)都合の医療サービスは時代遅れ、過去のもの。
今はそれでは選ばれる医院にはなれません。
時代は選ばれるか否かです。
相手が何を必要として、何を求めているかを見逃したまま、見過ごしたままでは時代に置いてきぼりです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
凛子