凛子のつれづれ

歯科で働くこと・組織の在り方を気ままに書いています。

つれづれ25   コミュニケーションの難しさ③

 

《マイクロマネジメント》=スタッフを微細に干渉・管理すること

 

これは、決して珍しいことではなく医院の規模に関わらず

知らず知らずのうちに行われているものです。

 

大概は「教えたことをきちんとやっているか」

という確認が発端となっているので

ご当人様は至ってそれが普通。

ある種の癖にようになってしまっています。

 

しかし、指示内容が出来ていようが・いまいが

毎回・その都度【確認という名の指示】をされるので、

スタッフはうんざり、食傷気味なわけでして。

 

出来ている・やっているのに毎度同じ指示を繰り返され

「何度も言われなくても分かっていますけど」とか

 

まさにこれからやろうとしているタイミングで言われるので

「いちいちうるさーい‼」となるわけです。

 

『今やろうと思ったのに言うんだもん泣』と

勉強をしようとしている子供に親の小言が炸裂するのと同じです。

 

それが、信頼されていない感につながっているのです…。

 

このタイプの方はなかなか見守れないのですよね。

【見守る】ではなく絶えずチェックという

【見張る】をしてしまうのです。

 

そりゃ、見張られていたらスタッフは動きにくいったらないですよ。

決して見張っているわけではないのでしょうに。

 

 

■スタッフを信頼している?

 

信頼しているのならば、それを行動でお示しに。と前回触れました。

ついやっていしまいがちな管理行動を見直してみましょう。

 

 

目に入った一場面だけで指摘・判断してしまう

 背景・そうなったいきさつを確認もせず一刀両断はいけません。

 まずは話を聞いてそれから判断するのでも遅くはないのでは?

 もちろん緊急性がある場合は別ですが。

 

「誰がやったか」犯人捜し

 誰がやったのか確認も確かに必要ですが

 それ以上に大事なことは

 【誰】よりもその【何が問題っだったのか】です。

 皆で共有すべきはそこです。

 

細かすぎる説明・長尺は要点がそれる

 説明をスタッフの反応をみながら行っていますか?

 その時スタッフはどんな表情で聞いていますか?

 残念ながら時間をかけた割に真意は伝わっていないのです…。

 相手に伝えたいことは簡潔に。

 シンプルイズベスト。

 

●同じ指示・注意を繰り返す

 何度も言えば分かると思ったら実は大間違い。

 【分からない人】も存在することを理解されたし。

 その場合にはアプローチの見直しが必要。

 

●割り込んでまで指示をだす

 これは確実に失敗を未然に防ぐことは出来ますが

 一方で確実にスタッフのやる気をそいでいます。

 「だったらご自分でやってください」と。

 そういうつもりがないのであれば、任せましょう。

 何のためにスタッフがいるのでしょうか?

    ご自身の負担を減らす為なのでは?

    そもそもの目的を見失ってはなりません。

 

●やっていない、出来ていない事に注視する

 院長先生方の望むレベルには達していないのかもしれませんが

 それでも日々スタッフは仕事をし、医院を院長を支えています。

 出来ている・やっていることを【あたりまえ】と捉えていると

 次第にスタッフは離れていきます。レベルを上げたければ、

 先ずは労いの言葉から。

 

●細部まで報告を求める

 必要以上の微細な報告は時間のムダと個人的には考えます。

 逐一報告することのメリットは何でしょうね。

 【報告が目的】になってはいませんか?

 

●手順や配置にこだわりが強い

 治療以外のことを細かな手順・やり方にこだわり、

 それを周囲に求めるのはいかがなものかと。

 極端ですが水の淹れ方とか(笑)どうだっていいじゃないですか。

 水が容器に入ればいいんですから。

 登山の頂上は一つでも登るコースはたくさんあります。

 頂上に辿り着くという目的が同じであれば、どこから登っても

 皆が無事に辿り着けたら万々歳です。

 目的が・目標が同じであれば、そこに行きつくまでのやり方は

 ある程度個人を尊重し、「自由にやってみてごらん」と

 見守る余地も必要です。

 

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■マイクロマネジメントがスタッフに及ぼす影響

 

 ◆自主性がなくなり、自発的な行動をしなくなる

  ずーっと指示を受けていると

  【言われたことだけやる・やればよい】という思考停止に。

  仕事は受け身になり、院長が望む【自主性】はどこへやら

 

 ◆怒られない様にミスを恐れ、消極的な行動にとどまる

  些細なことで注意や指摘を受けていると、二言目には

  「怒られるから...」とか

  「怒られないように...」という

  ミスに対する誤った見方をしてしまい、

  失敗から学ぶことがなくなります。

  最悪は、怒られないように隠蔽やごまかしが、

  普通になってしまうことも。

  

 

 多くの院長先生は言わずとも判断し動いてくれる

自主性をスタッフにお求めになります。

その一方で、スタッフに微細に口出し手出しをしてしまう。

それでは、スタッフの自主性はいつまでたっても育つことはなく。

 

育てたいなら任せてみることです。

 

任せるとは丸投げすることではありません。

いきなり丸投げされた方は何をどうしたらよいのか

指針が全くないので戸惑うだけです。

 

教えるべきはやり方ではなくやるべき事(指針)です。

 

何をやる(なす)べきか?

なぜそれをやるのか(やって欲しいのか)?

 

目的・意義を先ずこちらから教え、伝え

それからです、任せるのは。

任せるとは彼らに実行させることです。

彼らなりの方法で目的を実行してもらうのです。

目的が果たされれば結果オーライではないでしょうか?

 

 

米国陸軍大将ジョージ・S・パットンの言葉です。

 

人々に物事のやり方を教えるな

何をすべきか教えろ

そうすればあなたは彼らの才能に

驚嘆することになるだろう 

 

微細な干渉・管理はスタッフの貴重な能力を

潰しかねないものです。

スタッフ一人一人の持てる能力や才能が

存分に発揮できる職場環境が増えることを願って

これからもブログに思いを馳せていきます。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

凛子