歯科助手や受付の求人で
【誰にでもできる簡単なお仕事です】的な表現をよくお見かけいたします。
国家資格がなくてもよいことは確か。
そういう意味では誰にでも門戸は開けています。
しかしながら、実際は簡単でもないし、誰でも良いわけがなく。
特に受付業務は『誰でも・簡単』なんて安易なワードを使って人寄せするのはいかがなものかとこれまでの実体験から痛感します。
歯科に限らずですが、
一般的に受付は企業や店舗・医院の【顔】としてクライアント・客人・患者となる人たちを迎え入れ、取次ぎをする仕事です。
対応能力が必要とされます。
迎え入れる人々への気配りや気遣いが出来る人には比較的ハードルは低いといえるでしょう。
言われたことしか出来なかったり、
ぶっきらぼうな対応の人には少しばかり荷が重いかも。
先読み・先回りや、観察力も求められます。
いわゆる【気が利く】ってやつです。
一般企業の受付の仕事は座業がほとんどですが(近年は無人の受付も増えているようです)、
歯科に限って言えば、優雅に座ったままのんびりとなんて暇な医院でしか経験できないし。
そもそも、暇な所は求人ださないし。
大抵は、診療室業務と兼任であったり、手薄な所をフォローする仕事もあります。
細かい事務作業もあります。
マルチタスクです。
完全分業であっても、受付業務は厳密には「ここまで」というものもありません。
デキル歯科助手の方は本当に何でもござれです。
知り合いにも一人おりますがもう、リスペクトしかございません。
採用に携わっていた時、受付希望の方と面接もしましたが話を聞いていいるうちに
「歯科の受付って随分と楽なイメージなんだな」と感じること多々。
改めていや何度でも申します。
受付業務は決して楽ではありません。
【医院の顔】でもあるポジションだから受付の仕事ぶりが医院の評価にも直結するのですよ。
医院全体を把握する仕事でもあるから、秘書やマネージャー、時には外部業者との窓口にもなる営業的な仕事も場合によってはあるし。
そう考えると
誰にでもできる簡単なお仕事なんて言ってしまうと
勘違いをさせてしまう。
もちろん、誰にでもできる程度の仕事であれば何よりなのですが。
属人的な仕事はよろしくないけれど、
それでも、医療現場の受付であるからには、他の接客業や受付業務とは少し異なる気がします。
作業工程は誰にでもできる分かりやすいものでなければなりませんが、
そこには相手を慮るというなによりも大切なことが含まれます。
それは決して【誰でも簡単に】出来ることではありません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
凛子