凛子のつれづれ

歯科で働くこと・組織の在り方を気ままに書いています。

つれづれ46  それぞれの仕事

 

たまには、らしいこともせねば。

今回は歯科衛生士について少し。

 

今年は6624名の新しい歯科衛生士が誕生しました。

既に就職し働いている人、就活中の人もいるかもしれません。

 

この先、いったいどれだけの人が衛生士の仕事を続けてくれることか…。

需要供給のバランスがなかなか整わない現実。

問題は山積です。

 

衛生士に限らずこの業界で働く魅力がもっと浸透すれば

雇用にこんなに苦労することはないでしょうにと、

この仕事を続けて思うことです。

 

 

歯科情報サイトに歯科衛生士の存在が定期健診の受診率をあげる要因になるという記事がありました。

 

口腔内も含めた健康維持のためには、

治療後の定期的なチェックが欠かせないのは言うまでもありません。

 

しかし、頭では誰もが理解しているけれど、

本当の意味で長期に継続してもらうためには

私たち衛生士の関わり方が重要になってきます。

 

それは、そもそも私たち自身がそれを理解し、

目の前の患者さんに健康であって欲しいという願いがなければ始まらないことです。

 

先ほどの記事には

⋆衛生士専用ユニットがあること

⋆保健指導の時間が長いこと

⋆在籍衛生士数が多いことが関連しているとも。

 d.styie 4/21 ニュースより引用

 

この字面だけ見れば、それが文字通り当てはまらない医院もあることでしょう。

では、そのような医院では健診の受診率を上げることはできないのでしょうか。

 

専用ユニットがあって長時間指導してくれて

衛生士もたくさんいれば問題なしという事なのでしょうか?

 

たとえ専用ユニットで時間を取って指導(説明)をしても

その人にあった方法でなければ単なる話として聞き流されてしまう。

 

患者さんが「そうか、帰ったら早速やってみよう」と気持ちが動かなければ、

「今日は興味深い話が聞けたな」とか

毎回担当の衛生士と何気ない会話を楽しむとか、継続する楽しみがなければ、

たとえ長時間指導しても、届いていなかったという残念なことに。

(今日も怒られてしまった)感で終わってしまう。

 

専用ユニットや長時間というのはあくまでも、

『その患者さん』のために

必要な時間を取る事のできる環境というのが

真意なのではないかと考えます。

 

専用ユニットでモチベーション⤴の衛生士もいることでしょう。

大概、専用ユニットは静かな場所に位置しているので

業務に集中できて有難いことではあります。

 

衛生士数は衛生士本来の業務ができる有資格者の存在。

衛生士に治療は出来ませんし。

正当な役割分担でしょう。

人数がいれば、担当制を有効活用できます。

担当制は信頼関係の構築にとても有用です。

 

問題なのは、

健診の受診率を上げる3要因の有無ではなく。

 

慌ただしさの中で決められた流れの一つとして行う。

これをして、あれをしてという手順にとらわれて、

誰に対しても同じパターンで行う。

なぜ治療後の定期管理が必要かを伝えることもなく。

健診で長期に継続通院されている方への労いを伝えることもなく。

 

歯科衛生士が衛生士としての本来のあるべき姿を理解していれば、

ユニットが専用だろうが新しかろうが古かろうが関係ありません。

 

専用ユニットを使えばみんな黙っていてもスキルが上がるのか?

そんなことはあるまい。

 

専用のユニットでも、そうでなくても

与えられた時間を有効に使い

目の前の患者さんのために何ができるか、何をするのか。

 

そういう歯科衛生士としてのあなたの想いが仕事に反映されるのです。

 

その想いがあれば、

たとえ一人衛生士でも

ユニットが兼用でも

どんな状況でも定期検診の受診率は上げることができるのではないかと考えます。

もちろん、マンパワーには劣りましょうが。

 

こういう記事がでると時々、

自分の現状と比して出来ない・やらない格好の理由づけにする人達もおります。

そうではないんだよ。

歯衛生士の役割を改めて考えさせられる興味深いものです。

 

どんなに恵まれた環境が整っていても、

それを生かすもムダにするのも自分自身ということです。

 

衛生士の皆さん

この仕事の魅力は深いです。

 

簡単にその資格・仕事を手放してはなりません。

あなたを必要としている人たちは大勢いるのです。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

凛子