属人化という言葉をご存知でしょうか?
属人とは
「その人に属する」こと。
法律用語で「人を基本として考えること」だそうです。
属人的とはその人に依拠する(頼る)ことです。
業務上、資格や経験・スキルにより当然ながら仕事は属人化してきます。
それ自体は悪い事ではなく、個々の能力を思う存分発揮してもらうためには必要なものです。
問題は、
特定の人にゆだねられた仕事を、その業務を担っている人が果たせなくなる場合です。
その人が戦線離脱した場合、その人しか知らない・出来ない業務があればあるほど、
引継ぎもままならぬ状態であれば、その先にはどえらい修羅場が待っています。
考えたくもない…。
資格業務であれば、有資格者であれば誰でも出来ることです。
変な話、変わりはいくらでもいるわけです。
しかし、組織の労務管理や人事を一手に引き受けていたり
業務手順や内容に誰よりも精通していていればいるほど、
それがマニュアル等の形となって残っていなければ、組織は大混乱です。
最悪の場合、空中分解です。
業務においてスペシャリストを育てることは必要なことですが、「その人がいないと・あの人ではないと」という状況は、組織運営の視点では些か不備があるように感じます。
スペシャリストは一人でよいと安心していてはよろしくないのです。
【人に仕事をつける】だけではなく、
【仕事に人をつける】ことも先々考えていかないと。
そういった意味では、
次世代のスペシャリストを在籍中に育成していかねばなりません。
仮に不測の事態が生じ、引継ぎなし・マニュアルなし状態でいきなり新たな後任を指名されて恐悦至極に感じる人なんぞ要るはずもなく。
小さい組織だとこの傾向は強く感じます。
いわゆる、口頭伝承のみの育成です。
これは何かと問題が起きやすく。
マニュアルやルールが存在しないと、
人により言う事が異なる場合、新人は混乱します。
それを、防ぐ為のマニュアルです。
属人化ではなく標準化です。
誰でも分かる・出来る状態にすることです。
スペシャリストが作ったものであれば、
最大限のいいとこどりですから、多少のもたつきあれど質の良い仕事が早い段階でできるようになります。
「なんで誰もできない・知らないんだよ~」という周囲のストレス
「○○さん戻ってきて!」という不毛な懐古
「だからこうなる前にちゃんとしておけばよかったんだよ」という他責の傍観者達
こんな状況を少しでも減らしていくためには
ある程度の業務手順の明確化とマニュアル作成は必要不可欠です。
スペシャリストはいた方が良いに決まってますが、
「あの人でないと」のスペシャリストではなく
業務そのもの【仕事に人がつく】スペシャリストを育てることが
組織の責務だと改めて今思うことです。
「あの人」がいてもいなくても業務が滞らない組織が本来あるべき姿・形なのです。
それぞれの「あの人の良いことろ」を見倣える・取り入れられる組織作りを目指していけたらよいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
凛子