《面接で何を見るか、何を知るか》
ありがたいことに、今まで大なり小なり様々な面接に携わる機会に恵まれ、実に多くの方と顔を合わせてきました。
面接させていただいたスタッフと共に働き、成長する過程を間近に見ることが出来ることほど嬉しいことはありません。
また、面接時の出来事を覚えていて下さり後々
「あの時こんなこと言ってましたよね」と言われると
(あれ、あの時私変なこと言ってなかったかしら…)等と面接の責任を改めて感じもします。
面接した皆さんとその後、一緒に働けるのは冥利に尽きるものです。
が、その一方で
眼前の面接者が、この職場に適しているか否かを、限られた時間の中で判断しなければならないという、面接の難しさ、奥深さも痛感しています。
今までの拙い経験ではありますが、それを踏まえ今回は【面接】に関して感じてきたことをお伝えしたいと思います。
何を見るか
これは言わずもがな、まずは履歴書です。
履歴書にはその人の人となりがある程度表れます。
諸所の記入漏れ(忘れ)は言語道断。
丁寧さがなく、殴り書きのような荒々しさがある。
*この丁寧さとは字が綺麗汚いではなく、人様に見てもらう書面と思って書いているか否かということです
顔写真の貼り付けが曲がっている。
修正テープで何度も書き直している。
折り目が汚い・封書が皺だらけ。
これではご当人様の日常が見えてしまうというもの。
こういうところにその人の仕事に対する〈想い〉が現れるものですから。
直接顔を合わせて話す以前に見られていますのよ、こういうところが。
書いて出せばいいってものではない、あなたの代わりにあなたを語ってくれるのが履歴書です。
次回以降お気をつけあれ。
チェックする側もこれらに注意しながら記載内容を確認し、不備があればそのあとの実際の会話に十分お耳を活用して話を聴きましょう。
何を知るか
医院側であれば
『どの様な人に働いて欲しいのか』
これを先ず具体的にしておくことをお勧めいたします。
今回の求人で必要としている人財は?
いくら何でも誰でもよいということはないと思います。(思いたい)
人手不足を少しでも補おうと〈とりあえず採用〉をされる医院もある様ですが、個人的にはあまりお勧めは致しませぬ。
「とりあえず」ってビールじゃあるまいし…
例えば、
即戦力を必要としているのか、今回は新人育成に注力するのか
同業経験者である程度のスキルがあり、業務内容を理解している人がよいのか
異業種からの転職でも社会経験がある人がよいのか等々
欲しい人財像が予め具体化されていれば、その基準に合わせてヒアリングをすることで適する人なのかある程度の判断がつきます。
たまにあることですが、
ここは忙しいですがそれは大丈夫ですか?と聞かれ
「はい!忙しい方が性に合ってますっ」って気前よくお答えいただくけれど、
現場に入り間もなく「こんなに忙しいとは思っていませんでした泣」と早々に退職の意向を表明されたりすることも。
忙しさの感覚は皆同じではありません。
忙しい医院の院長先生は「そのうち慣れる」とか
「この位フツーでしょう?」って思っておられる様なのですが精神論では忙しさを克服できる訳もなく…
本当に忙しい医院であれば事前に伝えておいた方がよいのではと思います。
受付の募集をかけると
歯科の受付はカウンター前にずっと座って仕事をする「ちょっと楽」なイメージがあるみたい。
その影響なのかは分かりませんが、未経験の転職者が多い気がします。
実は受付が決して楽ではない医院の顔とも知らずに…
お暇ひまヒマな医院ならラッキーでしょうが、そもそもそのような医院では求人はないですから(笑)。
自院での受付業務内容を具体的に伝えることをお勧めいたします。
座業だけなのか、受付専任なのか等々。
少なくとも医院側は負の部分も含め現実を見せない・知らせないというムダな優しさはバッサリとお捨てになり現実ありのままを伝えて
「どうですかあなたはここで働けますか」と潔く尋ねた方がどんなに楽なことか。
だって、今この現実の現場にに即した人を採用するための面接なのですから。
採用を急ぐあまり、多少の気になっている点には目をつぶり
『後で何とかなる』などと変な精神論や楽観視が過ぎれば、
遅かれ早かれ問題点は露呈しますから。
前職や過去どういった職場環境でどの様に働いているのか、
退職の理由、
これからどういう職場環境で働きたいのかを是非、具体的にお聞きになって下さい。
求職者の仕事に対する価値観を知る事ができます。
答えに曖昧さが見え隠れしていたら突っ込んで具体的に話をさせてください。
そうすれば見えてくるものがあります。
採用されたいが為に必死でいいことばっかり話す人もおります。
上っ面の優等生的な答えなんぞ、どんどん突っ込んであげましょう。
そう
面接官はとにかく面接者の話を聞いて・訊いて・聴いてください。
これあるあるなのですが、
院長先生が面接される医院では院長がひとしきりご自分で話をしてしまい面接が終わってしまったということも。
それではこちらのことを色々知ってはもらえても、相手の何を知ることが出来たのか…
面接官は聞くことが出来る人にお任せするか信頼できるスタッフを同席させましょう。
面接は双方にとって、とてもエネルギーが必要とされるもの。
時間を有効に使うためにも面接にも準備がとても大切なのです。
次回は【面接を受ける側】の見る・知るです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
凛子